金継をやってみたキッカケ
ある日、いつものようにお気に入りの飯椀でご飯を食べていました。
使っている飯椀は瀬戸市の「HORITSUKE」というブランドの「網茶碗」です。光にかざすと網模様が透けてきれいなんですよ。
髪の毛が混入しているかと思いましたがよく見てみると飯椀に黒い筋がついているようです。
汚れか?と思いましたが飯椀の半分くらいまで筋があったのと、爪で擦ってみると少し引っ掛かりがあったのでどうやら何かの拍子にひび割れてしまったようです。
基本的に汁物は入れないので、そのままでも問題なく使うことはできますが、これを機に今までやってみたかったものの一つである金継で補修してみましょう。
使った金継キット
調べてみると美術品の補修をしているお店に行けば金継をやってくれるみたいです。
また、金継の体験教室とかもあるみたいで自分で持ってきた器を使って教えてもらいながら修理できるみたいですね。
しかし、自分でやってみたいので市販の道具を買って挑戦してみます。
探してみると金継キットはたくさんあるものの、「食器には利用できません」「食品に触れる部分には使用しないでください」といった注意書きがあって、食器用の金継キットは思ったより少ないみたいです。
そんな中、購入したのは金継ラウンジのAmazon限定キットです。
こちらは本物の漆ではないですが食品衛生法適合の合成樹脂を代わりに使用しているので食器にも使えます。
一部の材料が写っていませんが、ちゃんと全部揃っていました。金粉は真鍮だけなので別途用意すれば純金の金継や銀継もできます。
本物の漆を使ったキットであればもちろん食器にも使えますが、かぶれる心配があるのでその点でも安心ですね。
金継をやってみる
金継のやり方を調べてみると、大体が割れたり欠けたりしたパターンの解説でひび割れの対処法が分かりません。
なのでYouTubeを調べて挑戦してみます。
まずは補強強度を上げるために、ひび割れているところを目視しやすいように油性ペンでなぞって、その線をリューターで削っていきます。
全体を削れたらキットに付属のパテを少量練って削ったくぼみに埋め込んでいきますが、この工程が苦労しました。
削ったくぼみに埋め込もうとしても入ってくれません。しかも硬化が早いので手早く作業をする必要があります。
削ったくらいのくぼみならパテより接着剤を盛った方が良かったかもしれませんね。
そしてくぼみをある程度埋めたら表面をやすりで削って平らに均します。ここで横着すると仕上がりに影響が出ます。
写真のように仕上げ塗りでは隙間やへこみを埋めてくれないので下地作りは重要です。
最後に合成樹脂と真鍮粉を混ぜたものを表面に塗っていきます。ここで重要なのが1度でちゃんと塗りきること。筆に液をたっぷり含ませて塗りましょう。
上から2度塗りすると最初に塗ったところが剥げたり、色むらが出やすくなります。
写真中央付近に二度塗りによるムラがありますね。
そんな感じで反省の多い金継チャレンジとなりましたが、遠目で見れば問題ないので満足しました。
まだ材料は余っているので厳重に保管して他の器が破損したときに再チャレンジしてみようと思います。
ちなみに、充実したキットを探してみると黒とか朱色の継ぎができるキットもありました。
漆器の補修ならこちらがいいかもしれませんね。
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